Circle Game

[収録アルバム]
Circle Game
靖国通り、月曜の午後

詞:小山卓治 曲:小山卓治


薄曇りの月曜日 靖国通りを歩く
東急ハンズの袋を抱える僕の前に
子供を叱りつける1人の女性の横顔
淡い記憶より少し痩せていた

名前を思い出すのに少しかかって声をかけた
君は眉をひそめたままの顔で僕を見る
瞳がかすかに揺れて僕を思い出し
それから笑おうとして うまくいかなかった

スターバックス ラテをふたつ カフェモカをひとつ
「私ひどいかっこで」と君は髪を耳にかける
昔ドライブで小さな丘の上に立った時の
君の言葉と横顔 ふいに思い出した

「ねえあの雲の切れ間からこぼれ落ちる光
あそこから天使が舞い降りてくるのよ
でも誰も姿を見た者はいない
私たちいつか会えるかしら」

2人同時に「あれから」と言いだして笑う
「子供の父親は誰なの? まさか僕じゃないよね」
君は「馬鹿」って笑って言う 「今は元の名字なの」
「それじゃ僕と一緒だ」 2人で吹きだす

君は歩道で遊ぶ子供を目で追っている
ほほえむ君の目尻のシワがとても素敵だ
顔を上げるとビルの上の薄い雲が割れ
渋滞の車に光が射し始めた

「ほらあの雲の切れ間からこぼれ落ちる光
あそこから天使が舞い降りてくるのさ
でも誰も姿を見た者はいない
僕たちはいつか会えるのかな」

君はラテを一口飲んで首を傾げ
何のことか分からないって顔でほほえんだ
僕たちは少し見つめ合い 目を伏せる
「もう行かなきゃ」と君は腰を上げる

「さよなら」の代わりに君の肩に手を置いた
てのひらは君の肩の丸みを憶えてた
君は右へ 僕は左へ
雲は厚くなり雨が降りだした

 



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