DAHLIA Jackets
[収録アルバム]
DAHLIA


[Listen!]
ダリア

詞:小山卓治 曲:小山卓治


西日の差し込む図書室で
結んだ約束は
もう忘れてしまった
憶えてるのはかすかな後悔
うつむいた横顔
窓から見える花壇に
朱色のダリアが咲いていたこと

無傷のプライドを振りかざし
闇雲に飛び出した
何の根拠もなく自分を信じて
角の曲がり方も知らずに
すれすれで走り抜け
選ばれるのは自分で
最高の未来が待ってると疑わず

「ごめんなさい」ってつぶやくあの子に
投げつけた言葉は
今も心のそでを引っ張る
2人の不器用な明日は
粉々に砕けて
その破片で互いの
もろすぎる心を切りつけた

何かとんでもない大切なものを
落っことしてきたんじゃないかと
木枯らしの中 手探りをしても
記憶はいつもモノクロにかすんでいく

世間がくり出してくるパンチを
何とかかわしながら
何者かになろうとあがいた
求めるばかりの愛なんて
ほんとの愛じゃないって
思い知ったのは確か
大人になってずいぶんたってからのこと

小さな積木を重ねるように
日常は積もってく
ギリギリの日々は過ぎ去った
代わり映えない仕事と暮らしの
騒がしい行進曲
かさばってきた荷物を
毎朝よいしょと担ぎ出かける

こんな人生も悪くはないと
思えるようになるまでの
ジタバタを何度も乗り越えて
こうして俺はやっと君に出会えた

1人で愚かに見てた夢は
苦くて酸っぱくて
やけにフワフワしてた
今2人で見てる夢は
手のひらに乗るように
リアルでそれが
素敵なことだと思えるよ

守る人 帰る場所
それが人生の重さ
でも何だか悪くない重さだ
今夜は君に花を買って帰ろう
ただいま 「お帰りなさい」の君は
ダリアのように笑った



 


(c)2023 Takuji Oyama / NAKAYOSHI GROUP