ROCKS Jackets
[収録アルバム]
はるか

ばあちゃんごめんね

詞:小山卓治 曲:小山卓治


ばあちゃんは赤いベレー帽が似合う
近所を歩いているばあちゃんはすぐに分かる
ばあちゃんはたまによく分からないことを話す
ずいぶんたってそれが大事なことだと分かる

ばあちゃんの腰はすっかり曲がってる
杖をつっかい棒にしてポトポト歩く
ばあちゃんがくれるお菓子は茶色くて
いつもあんまり甘くない

ばあちゃんごめんね
僕は行かなきゃいけないんだ
ばあちゃんごめんね
僕はもう行くよ

ばあちゃんが死んだじいちゃんの話をする時は
怒ったり笑ったり泣いたりいそがしい
ばあちゃんは何でも知ってるみたいだけど
たまに返事をしないでどっかをぼんやり見てる

ばあちゃんはたまに母さんにしかられると
ちっちゃくなって犬の散歩に出かけていく
ばあちゃんは心配そうに僕を見る
ひねくれてねじ曲がった僕を見る

ばあちゃんごめんね
なかなか会いに行けなくて
ばあちゃんごめんね
僕はこっちでやることがあるんだ

ばあちゃんは近所で一番のモテモテだ
昨日も源三じいちゃんがデートに誘いにきた
ばあちゃんは最近ますますちっちゃくなって
でも赤いベレー帽はやっぱり似合ってる

ばあちゃんは泣いてる僕を見ると哀しそうだけど
頭をポンポンするだけで何にも言わない
ばあちゃんはあの日「待ってるんだよ」とつぶやいた
あんまり綺麗な瞳だったから僕は目をそらした

ばあちゃんごめんね
そこにいてあげられなかった
ばあちゃんごめんね
そこにいてあげたかった
ばあちゃんありがと
僕はちゃんと大人になったよ

 


(c)2017 Takuji Oyama / Blaze