FISH -漂流-
詞:小山卓治 曲:小山卓治
俺が生まれた時からこの街は
夢を育てることさえも忘れてた
見つけたばかりの希望はいつも
押し流されて粉々になるのさ
俺はただの意気地なしじゃないはずだから
本当の自分を探しだすんだ
ここじゃない ここじゃない
俺の輝ける場所は
ここじゃない ここじゃない
そして俺はバイクに飛び乗った
朝の風に吹かれながら飛び込んだ
最初の街はすべてがモノクローム
この街のルールに縛られた
聖者の行進に飲み込まれて立ち尽くす
誰かの落とした夢がたくさんの靴に踏まれて
地下鉄の入り口で泣いていたのさ
ここじゃない ここじゃない
俺にふさわしい場所は
ここじゃない ここじゃない
俺はゆっくりハンドルを切った
ショー・ウィンドウではピカピカの
夢のかけらが俺に手招きをして笑いかける
浮ついた歌が流れだし
誰もが俺に押しつける安っぽいしあわせ
輝く汗を飛び散らせ踊っているのは St.Dancer
だけど虚ろな瞳には何も写らない
ここじゃない ここじゃない
俺のたどり着く場所は
ここじゃない ここじゃない
俺は高くクラクションを鳴らす
ネオンが手招きを始めて
赤く染まった彼女の横顔に出会った
この街に似合いの恋のゲーム
ドレスのすそをひるがえしながら踊ってた
俺は彼女の手を取って見つめ合ったスローダンス
つぶやきが聞こえた ここから連れ出して
ここじゃない ここじゃない
俺達に似合いの場所は
ここじゃない ここじゃない
俺は彼女を乗せて飛び出した
白いシーツにくるまり
俺達は朝が来るのを恐れて抱き合った
君がそれを望むのならこれからずっと
君を抱きしめていてあげる
彼女はうつむいたままでそっとささやいた
傷つきたくはない ゲームで終わらせて
ここじゃない ここじゃない
あなたの立ち止まる場所は
ここじゃない ここじゃない
俺は一人アクセルを吹かす
紫の夜明けに俺は
遥かに続くハイウェイを見つめて耳を澄ます
きのうまでのことはみんな
忘れてしまったように街が動き出す
走り出しちまったんだ 走り続けよう
この道を行けばきっと何かに会える
ここじゃない ここじゃない
夢からさめる場所は
ここじゃない ここじゃない
そして俺はバイクに飛び乗った
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