dear #73
大分と宮崎のセットリストを詰めている。
大分は3年連続の3回目。これまで歌った歌となるべくかぶらないようにして、その上でベストのセットリストを考える。過去2回登場してくれた大分のバンド、COCK'Sにも、アコギを持って登場してもらおうと思っている。
宮崎はデビューして初めて行く街だ。だから「初めまして」のセットリストになるだろう。聴いてほしい歌がたくさんある。
どちらも、すごい濃い内容になりそうだ。
梅雨空の毎日、湿っぽくてギターもなかなか鳴ってくれない。僕はめっぽう梅雨が苦手だ。この時期だけ北海道に移住したいくらいだ。
北海道といえば、イベントで93年に、ソロとしては88年に行ったきりだ。今年こそは、どんな形であれ何としても行かなければと計画を練っている。
窓の外を見ると、降りしきっていた雨がおさまり、少しだけ空が明るくなっている。気分転換に近くの喫茶店にでも行って、またセットリストを考えることにしよう。
7/2
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卓治
dear #74
前回の〈dear〉から、少し空いてしまった。その間に、大分、宮崎、東京、名古屋で歌った。
初めての宮崎県は、西都市の、古墳群とブルーベリー畑の中にある、おしゃれなカフェで歌った。地元の人たちがたくさん集まってくれて、「初めまして」の新鮮な気持ちで歌うことができた。
ライヴの後は、お客さんたちと一緒にテーブルを囲んで懇親会。炭火で焼いた地鶏は最高にうまかった。
東京 恵比寿のライヴは、アルバム《成長》《花を育てたことがあるかい》《ROCKS!》そして〈YELLOW WASP〉全31曲を歌った。シリーズ3回目で、前回までは3時間だったが、今回は3時間半のライヴになった。聴く方も大変だっただろうけど、最後まで歌声は途切れなかった。
名古屋では《NG!》《ひまわり》《Passing》《微熱夜/Show Time》全29曲のライヴ。東京とはセットリストを変更して歌った。とてもしっとりと、そしてしっかりと歌を受け止めてくれた。
来週は大阪だ。
ここ数日、8/17の〈Beast meets Beauty #2〉のリハーサルに入っている。ゲストに招く鈴木亜紀さんと、お互いの歌をカバーすることにした。僕が歌うのは、フラメンコのパルマ(手拍子)で始まり、スパニッシュギターが入る歌だ。スパニッシュギターなんて弾いたこともなくて、でもそれを四苦八苦して練習してる自分が、何だかおもしろい。新しい出会いが、新しい音楽とも出会わせてくれる。
8/1
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卓治
dear #75
大分ライヴのMCで〈Naked“eyes”〉のことを話していたら、お客さんから「やってよ」と声がかかった。マイクを離し、生のギターで1曲歌った。その時の空気がとても素晴らしかったから、翌日の宮崎から生で1曲歌うスタイルを取り入れることにした。
東京 恵比寿の〈eyes“7 to 9”〉では〈祈り〉を生で歌った。客席の歌声は徐々に大きくなり、まさに「打ち寄せる波」のような歌声が響き渡った。
名古屋での、83年から85年の歌を歌いきるライヴでは、ステージを降りて〈Show Time〉を歌った。
同じメニューで12日後に大阪でライヴをやることになっていた。もうセットリストは変わらないだろうと思っていたんだが、リハーサルしているうちに、違うアイデアを思いついた。ライヴは生ものだ。
大阪は、客席の真ん中まで行って〈Passing Bell〉を歌った。力強い歌声が会場を満たし、僕の体を包んでいった。シンガーとして、最高に幸せな瞬間だった。
名古屋と大阪には、ひさしぶりにライヴに来てくれた人がたくさんいた。
ライブでしか体験できないことがある。同じ空間を共有することで初めて感じることがある。
極端に言えば、レコーディングとは、その名の通り記録するもの。そこで完成したアルバムは、棚にしまわれるもの。でもライヴはまるっきり違う。同じメニューでも、まったく違うライヴになるし、僕とお客さんの間で交感されるものは、毎回変わる。
ぜひ、またライヴに足を運んで欲しい。
そしてライヴは続く。今週末は代官山で鈴木亜紀さんとのジョイントだ。彼女が僕の〈ひまわり〉をカバーしてくれる。他にも、数曲ずつお互いの歌をセッションする。歌がまた違う顔をのぞかせてくれるはずだ。すごく楽しみだ。
8/13
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卓治
dear #76
僕のオフィシャルファンコミュニティーONEでは、前のファンクラブの会報に当たる〈ウェブマガジン eyes〉を、3ヶ月に1度発行している。すでにVol.11を数えた。
そのコンテンツのひとつとして、〈Photograph〉がある。ライヴ写真だけでなく、毎回いろんな場所へロケに行って撮影をする。横浜、浅草、軽井沢、熊本、横須賀などなど。
女性をゲストに迎えて映画のように作ったり、写真とモノローグを重ねてストーリーに仕立てたり、スタジオで撮影した写真をモノクロのみで掲載したりと、いろんな形で表現している。
9月に発行予定のウェブマガジンのために、つい先日、弓道の写真を撮影した。
と、唐突に言っても意味が分からないよね。僕は高校時代、弓道部の主将をやっていて、弓道初段だ。意外でしょ?
高校を卒業して以来だったから、31年ぶりに弓を引いたことになる。ちゃんとはかまをはいて足袋をはいて、基本の動作にしたがって矢を放つ。
最初は全然おぼつかない感じだったが、だんだん体が思い出してきた。武道だから的に当てるのが目的ではないんだが、1本くらい当たらないもんかなと思っていた。最後は的まで10センチ。残念。
その時の筋肉痛も取れ、2週間ぶりにライヴだ。京都、岡山、広島へ向かう。京都は2年4ヶ月ぶり、岡山はデビューした頃に行っただけ、広島は14年ぶりになる。
小さな一歩だけど、こうして歌を届けに行けることが、今はとても嬉しい。
8/29
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卓治
dear #77
さあ、いよいよスタートだ。
デジタルリマスタリングした初期のアルバムの再発売が決定した。まずは《NG!》と《ひまわり》を10/31にリリースする。どちらにもシングルバージョンをボーナストラックとして収録した。
今年中に、12インチシングルを含めた《VANISHING POINT》までのアルバムを再発売する。
音を新しくすると共に、ジャケットも、当時のデザインを継承しつつ新しいジャケットにした。昔のジャケットがいい人もいるだろうから、リバーシブルジャケットにして、リリース当時のジャケットも収録している。
当時のアルバムはアナログレコードでリリースした。それをCDとして発売するためにデジタル処理した結果、かなり貧弱な音になってしまった。それが80年代当時のデジタルテクノロジーの限界だった。
昔、アナログレコードを聴いたことのある人なら憶えがあると思う。レコードをCDに買い換えて聴いた時、胸がワクワクする何かがすっぽりと抜け落ちてしまったような感覚。
あれから20年以上たって、テクノロジーは飛躍的に進化した。
あの頃のふくよかで豊かな音を再現し、ボーカルやバンドサウンドのエッジはさらにクリアになった。
このサウンドで聴いてもらえる日が来るのを、僕は20年待っていた。スタジオで、完成した音に満たされながら思った。今が、その時だ、と。
さあ、スタートだ。
10/2
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卓治
dear #78
先月までの残暑が嘘のように涼しくなった。僕は暑さと湿気が大の苦手で、これからの季節が一番好きだ。朝起きて天気がよかったら、窓を全開にして引き締まった空気を吸い込む。コーヒーを煎れ、パソコンをオンにする。再発売アルバム《NG!》と《ひまわり》のネット予約メールが今日も届いている。
全国の、それこそ一度もライヴに行ったことのない街からも、たくさんの予約が届いている。そのメールに添えられた短いメッセージのひとつひとつを、かみしめるように読んでいる。すごく嬉しいよ。
デザイナーからメールが届き、《Passing》や《The Fool》のジャケットデザインのデータが送られてきた。ここのところ、何度もメールをやり取りしながら、新しいジャケットのデザインを固めているところだ。
再発売をお知らせするページを追加するタイミングで、オフィシャルサイト〈RED & BLACK〉も大幅にリニューアルした。
1999年にプレオープンし、2001年から本格的にスタートした〈RED & BLACK〉は、僕の情報発信のステーションとして、またコミュニケーションの場として、僕と一緒に成長と変化をとげている。
さて、届いたメールへの返信が終わったところで、ヘッドホンをかぶる。《The Fool》に収録するボーナストラックを決めるため、86年当時のライヴテイクを聴き直す。
アルバムサウンドが、ジャケットが、そしてライヴテイクが、2007年の“今”に蘇る。
10/16
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卓治
dear #79
今回のアルバム予約申し込みで、メールニュース配信を希望してくれた人がたくさんいる。
ようこそ!
この〈dear〉という短いエッセイは、不定期だけど2004年から続けているから、もう4年になろうとしている。バックナンバーは、僕のサイトRED & BLACKの〈Essay〉に掲載してるから、読んでみてね。
まずは改めて、再発アルバムの発売を延期してしまって、本当にごめんなさい。マスターディスクはプレスに回って、完成も間近。1日でも早くみんなに聴いてほしいと、スタッフもがんばってる。
ボーナストラックも含め、音はすばらしいものになった。ジャケットは、新しいものとリリース当時のものがリバーシブルになっていて、ブックレットには懐かしい写真を掲載している。
もうすぐ、届けるからね。
来週は東京でのライヴ〈eyes“10 to the future”〉。
マキシシングル《手首》、アルバム《種》、何人かのシンガーへ提供した曲、そして新曲を歌う。今回も3時間になるだろう。4回のシリーズで、僕の全キャリアを歌いきることになる。
ここ数日、セットリストを考えている。馴染みの少ない歌が多いと思うけど、来てくれる人はぜひ楽しんでほしい。
2005年から続けてきたツアー〈eyes〉は、来年の頭で終了する。そして春になったら、新たなツアータイトルをつけて、今度は全国の街へ行くつもりだ。
11/1
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卓治
dear #80
いよいよ来週、再発アルバム《NG!》《ひまわり》が、みんなの元へ届く。最高の音に仕上げたから、楽しみにしててほしい。
ボーナストラックは、《NG!》にはデビューシングルの〈FILM GIRL〉〈西からの便り〉を、《ひまわり》にはシングル〈傷だらけの天使〉のB面〈悪夢〉を収録した。
そして、《Passing》《The Fool》のリマスタリングとデザインの作業もすべて完了した。
昨日、12インチシングル《微熱夜 / Show Time》《IMAGINARY BLUE / HOLY LAND》のリマスタリングをやった。これもすばらしいサウンドに仕上がった。
さらに、ライヴアルバム《On The Move》のマスターテープをハードディスクに取り込む作業。
87年2月4日の渋谷公会堂のライヴでは24曲プレイし、その中から10曲をセレクトしてアルバムを作ったんだが、残りの曲もすべてライヴレコーディングしていた。
当時はLPレコード1枚での発売が決まっていたから、曲をセレクトしたんだが、今だったらもっと自由に作れる。マスターの音を聴きながらそう思った。
だから、決めた。発売は来年に持ち越すが、収録できる限りの曲をすべて収録した、新しい《On The Move》を作る。
11/21
love,
卓治
dear #81
通算11枚目になるオリジナルアルバムのレコーディングが、いよいよスタートした。
今回はプロデューサーに、高橋研さんを招くことにした。
研さんとは、もう長い付き合いになる。確か1993年にイベントで一緒になったのが最初だ。以来、僕のライヴにゲストで登場してもらったり、研さんのライヴに出演したり、田中一郎さんと井口一彦君との〈四人の男〉シリーズでは、何度も同じステージに立った。
2003年にリリースしたアルバム《種》では、2曲の共作も実現した。
僕は、研さんの作る歌や、プロデュースした作品に、大きなリスペクトを感じている。いつか一緒にアルバムを作りたいと、ずっと考えていた。
12月8日、ジョン・レノンの命日、まずはアコースティックなサウンドでアレンジする曲からレコーディングは始まった。ギブソンダブを抱えてブースに入り、喉の調子を確かめながら、アコギとボーカルを録る。
僕はレコーディングの時、何度もテイクを重ねない。ライヴと同じ感覚で歌うから、歌ってもせいぜい3回だ。
3日間で、5曲のベーシックな音を録った。ダビングはあまりしないつもりだ。シンプルなサウンドを目指す。
そして1月に入ったら、バンドサウンドのレコーディングに入る。くわしいことは、またここで書こうと思っている。お楽しみに!
12/13
love,
卓治
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