2008年1月〜6月

dear #82
 みんな、どんな新年の幕開けだったかな?
 僕は年明け早々、引っ越しをした。まだ片付いていない部屋で、これを書いている。来週から始まるレコーディングセッションの準備を始めなきゃいけないんだが、「あれ? あの音資料はどこだっけ?」なんて状態だ。

 大阪でのライヴも近づいてきた。東京では4回やったライヴを、スケジュールの関係で3回にまとめることになったから、相当濃いラインナップのセットリストになるだろう。ステージに立つのが、今からすごく楽しみだ。

 《微熱夜 12 inch Single Collection》《VANISHING POINT》の再発盤も完成した。そろそろ届く頃だと思う。

 ニュースをふたつ。
 渋谷公会堂での《On The Move》の約2ヶ月前、僕は渋谷Live Innで全36曲のライヴをやった。タイトルは〈GO TO ZERO〉。実は、その夜もライヴレコーディングしていた。
 このライヴも、今年リリースすることに決めた。
 先日、その音を全曲確認した。《On The Move》とはまったく違う空気感だった。お客さんの熱狂がダイレクトに伝わってくる、まさにライヴハウスの音だ。
 これからふたつのライヴのリマスタリングに入る。

 そして、もうひとつ。
 僕は今年3月で25周年を迎える。たくさんの人たちと一緒にその日を過ごしたいと思い、3月22日の土曜日、渋谷BOXXでライヴをやることにした。どんな構成にするか、誰をゲストに呼ぶか、調整しているところだ。ぜひ遊びに来てね。

 さあ、今年も突っ走るよ!

1/11
love,
卓治


dear #83
 3日間スタジオにこもって、《On The Move》のリマスタリングを完成させた。
 以前、この〈dear〉で、「アルバムの10曲だけじゃなく、あの夜プレイした曲を、収録できる限り収録する」と書いた。
 3日間で、24曲をリマスタリングした。つまり全曲だ。《On The Move》は、コンプリートアルバムとして、全曲を収録した2枚組でリリースすることにした。
 発売日は、近々ここでインフォメーションするから、ぜひ期待しててね。

 そして今日は、ギターをかついでスタジオに入った。今週予定されているバンドサウンドでのレコーディングと、ライヴへ向けてのリハーサルだ。
 レコーディングに向けて、先週プリプロをやり、大まかなアレンジは見えた。本番のレコーディングで、バンドのグルーヴを体で感じながらシャウトするのが、今からすごく楽しみだ。

 そして今年のライヴは、大阪と名古屋からスタートする。この2本に関しては、今までの〈eyes〉ツアーでやった最多曲数、32曲を越えるセットリストで望む。とことん歌う。限界に挑戦だ。
 限界なんて自分で決めてしまうもの。越えようと思えば、きっと軽々と越えられるものなのかもしれない。
 2008年は、たくさんの限界という名の境界線を軽やかにジャンプして越えて行こうと思っている。

1/23
love,
卓治


dear #84
 東京にひさしぶりに雪が降り、近所の公園は雪の薄化粧で真っ白になっていた。
 慣れない雪に足を滑らせながら、スタジオに通う毎日だ。

 1986年12月12日、渋谷 Live InnでパーソナルバンドDADとやった全36曲のライヴ《Go To Zero》を、《On The Move》と同時リリースすることにして、3日かけて22曲をデジタルリマスタリングした。
 当時いつも演奏していたオープニングテーマ、《On The Move》に収録していない曲を多数、ギターでの弾き語りも3曲収録した。
 〈ひまわり〉は、アルバムとはまったく違うアレンジだ。弾き語りでは、歌詞を増やした〈Aの調書〉や、この夜しか歌わなかった未発表の曲も入っている。ラストの〈Passing Bell〉は、10分にもおよぶ演奏だ。

 《On The Move》は、ある意味完成されたライヴアルバムだ。《Go To Zero》は荒削りで、まさにライヴハウスの音だ。そしてお客さんの歌声がものすごい。1人1人の声がはっきり聞こえ、最後の方では僕の声をしのぐほどの熱狂だ。
 まったく違うふたつのライヴアルバムが完成した。みんなに聴いてもらえる日が今から待ち遠しい。

 ここのところ、アルバムレコーディングとライヴとリマスタリングが同時進行で進んでいる。
 1月は、レコーディングの翌日に大阪ライヴというハードスケジュールだった。今週末も、レコーディングから1日空けて名古屋ライヴだ。
 大阪では35曲歌った。名古屋は、さらにそれを越える曲数を歌うつもりだ。

 そして3月22日、渋谷BOXXのライヴは、タイトルを〈Party!〉とし、スタート時間を17:30にした。
 懐かしい友人などに「ライヴに出てくれない?」って声をかけているところだ。
 たくさんの人と一緒に25周年を祝いたいと思っている。遊びにおいでよ。

2/5
love,
卓治


dear #85
 3/22の25周年ライヴ〈Party! 25th anniversary Live〉の夜から発売するフォトブックレットに掲載するために募集した、全国のファンのみんなからのメッセージをまとめて読んだ。予想をはるかに上回る数のお便りが届いた。ほんとうにありがとう。
 1人1人のメッセージを読んで、ジーンときたり、ホロリときたり。
 僕と出会った時の思い出話だけじゃなく、みんなそれぞれの今を生きていて、未来を重ねてくれている。それが一番嬉しかった。
 本当なら、みんなに返事を書きたいところなんだけど、次のアルバムとこれからのステージで、その返事を送ることにするよ。

 3年間続けてきたライヴサーキット〈eyes〉を終え、リマスターシリーズの最後になる《On The Move -Complete-》と《Go To Zero -Shibuya Live Inn 1986/12/12-》のリマスタリングも終え、数日前、新しいアルバムのすべてのダビング作業を終えた。
 これからミックスダウン、マスタリングと、スタジオワークはもうしばらく続く。
 スタジオで高橋研さんと、「研さん、ライヴでこのコーラスをやってよ」なんて話をしている。3/22は、研さんはもちろん、今回レコーディングに参加してくれたメンバーにできるだけ参加してもらって、ひさしぶりにバンドライヴをやるつもりだ。サックスのSMILEYを始め、何人かのゲストも考えている。
 そして、4月からスタートする予定の新しいツアーも見えてきた。会いに行くよ。歌を手渡しするために。

2/29
love,
卓治


dear #86
 3月21日、僕はデビュー25周年を迎えた。これで、人生の半分を歌い続けてきたことになる。
 「もう全部歌い尽くした。これで十分だ」と思ったことは、25年間に一度もなかった。僕はこれからもあいかわらずギターを弾き、ピアノを叩き、新しい歌を紡いで、歌の旅を続けるだろう。

 22日のライヴ〈Party! 25th anniversary Live〉には、たくさんの友人がゲスト出演してくれたし、大勢のお客さんが来てくれた。幸せだった。
 このライヴは、何らかの形にして、もっとたくさんの人に見てもらいたいなと思っている。

 パーティーは終わった。さあ、次へ行く時だ。
 4ヶ月に渡ったレコーディングが、一昨日終了した。僕の11枚目のオリジナルアルバムのタイトルは、《Circle Game》。6月25日にリリースする。
 そしてアルバムと同タイトルのライヴサーキット〈Circle Game〉が、今週末、僕の故郷の熊本からスタートする。

 25年が過ぎても、僕は何も変わらない。同時に、激しく変化していこうと思っている。

4/8
love,
卓治


dear #87
 新しいツアー〈Circle Game〉が、僕の故郷の熊本からスタートした。たくさんのお客さんが来てくれて、中には僕の中学や高校の時の同級生なんかも来てくれていた。地元でのライヴというのは照れくさいものなんだが、笑顔に満ちたライヴになった。

 大学の頃に一緒にバンドをやっていた連中が、今も仕事の合間をぬってバンド活動を続けていて、宇崎竜童さんが主催する『ナイスミドルコンテスト』、つまり全国のおやじバンドのコンテストで九州代表になった。その“ひょうろく玉”にゲスト出演してもらって、3曲ほどセッションした。そのサウンドは、全然“おやじ”ではなく、それがとても嬉しかった。

 ツアー2本目は東京 LIVEGATE TOKYO@EBISU。この夜は、弱冠26歳のギタリストとベーシストを迎えて一緒にプレイした。
 つい先月、彼らのバンドの演奏を小さなライヴハウスで見る機会があって、その溌剌としたステージとパワーが、すごくいいなと感じた。僕がデビューした時にはまだ2歳。つまり親子ほども歳が違う。まったく違うバックボーンで音楽を始めた彼らと一緒にプレイしたらどんなサウンドが生まれるだろう。そんな期待から2人に声をかけた。

 7曲ほどのセッションだったが、聴いてくれたお客さんから、「とても新鮮だった」と、たくさんの感想をもらった。
 もちろん僕も、今までにない空気感の中で歌うことができた。

 〈Circle Game〉ツアーでは、今までやってこなかった、いろんなスタイルに挑戦しようと思っている。そしてもちろん、たくさんの街を訪れるつもりだ。

4/28
love,
卓治


dear #88
 iTunesで聴けるPodcastの配信をスタートさせた。初めての試みだ。6/25のニューアルバムのリリースまでの2ヶ月間限定で、僕のおしゃべりと新曲のライヴテイクをオンエアしていく。
 聴くためには、まずiTunesを無料でダウンロードする。iTunes Storeの中にPodcastというカテゴリーがあるから、そこで“小山卓治”で検索してくれれば表示される。無料で聴けるから、ぜひ試してみてね。

 タイトルは〈Aspirin Radio〉といって、僕のオフィシャルファンコミュニティー〈ONE〉で、3ヶ月に1回配信しているラジオ番組の形式を取っている。
 〈ONE〉では定期的におしゃべりしてるんだけど、今まで、こうやってたくさんの人に自分の声で語りかける機会がなかったから、すごくワクワクしてる。番組を聴いた感想をぜひ送ってほしい。このメールへの返信という形でもだいじょうぶだからね。

 数日前、友人と酒を飲んで、彼から1冊の本をもらった。『トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使 (東邦出版)』という本で、6/10に出版される。デビュー前から現在までのトム・ウェイツのことがくわしく書かれてある。興味のある人は手に取ってみてほしい。
 本をくれたのは、この本を編集した男で、もう長い付き合いだ。世に出回っているトム・ウェイツ関連の本は、ほぼ全部彼が編集したと言ってもいいくらいだ。

 僕もトム・ウェイツは大好きで、相当影響を受けてきた。初期のブルージーなトムも、最近のアバンギャルドなトムも好きだ。
 仕事は山積みなんだが、時間を作って読み進めようと想う。でも読んでたら、きっと飲みたくなっちゃうだろうなあ。

5/19
love,
卓治


dear #89
 僕の11枚目のアルバム《Circle Game》が発売された。前回の《種》からジャスト5年ぶりになる。この5年の間に作って、ライヴで歌い続けてきた曲を収録した。
 以前ここに書いたかもしれないが、僕は歌が生まれたら必ずライヴで何度も歌うことにしている。生まれたばかりの歌は、ライヴの空間で初めて息吹を始め、お客さんに届き、何か大切なものがお客さんから僕の心へ戻ってくる。そんな中でメロディや歌詞は少しずつ変化し、歌は本当の意味で完成する。
 そしてレコーディングされたアルバムがたくさんの人の手に届き、歌はそのたくさんの想いを受け、また変化していく。
 どんな風に聴いてくれただろう。どんな感想を持ってくれただろう。よかったら、君の想いを僕に伝えてほしい。

 25周年のライヴ〈Party! 25th anniversary Live〉をDVD+CDでリリースする。ひと夜限りのスペシャルなライヴを、たくさんの人に届けたいと思った。
 音のミックスだけじゃなく、映像編集にもたずさわった。パソコンで作業しながら、大勢のゲストの笑顔や客席の歓声に、すごく勇気づけられた。
 これはひとつの通過点。僕は26年目の歌を歌い続けていく。

 そして7/6は、アルバム発売記念ライヴをやる。僕の新しい盟友、26歳のメンバーとのバンドライヴだ。ゲストに高橋研さんとSMILEYも登場してくれる。
 若いバンドマンとのステージは、とても刺激的だ。音楽があれば、世代なんて軽々と越えてくれる。時に、彼らの若いプレイに引きずられることもある。そんな自分がおもしろくてしょうがない。

 それにしても、若い連中のファッションセンスには感じ入るばかりだ。色の合わせ方とか重ね着の仕方とか。パンツをずらして履く腰履きなんて、僕がやっても全然さまにならないだろうな。
 先日のライヴで、「腰履き、やってみようかな」って言ったら、お客さんに「風邪ひくぞ」って言われたっけ。
 
6/26
love,
卓治



小山卓治 News!!!  配信中!

「小山卓治 News!!!」は、小山卓治の最新情報満載のメールニュースです。卓治のエッセイ(〈dear〉というタイトルで随時配信されます)や、いち早くライヴチケットの予約開始日をお伝えするなど、「小山卓治 News!!!」でしか見ることができない情報を配信しています
もちろん登録は無料! パソコンでも携帯電話でも、お申し込みができます

受信文字制限のある携帯電話では、情報を全て受信できない場合がございます。あらかじめご了承下さい

登録は以下のアドレスへ「小山卓治 News配信希望」とお書きの上、送信してください

takuji@ribb-on.com


CLOSE


(c)2008 Takuji Oyama