dear #97
2009年がスタートし、初めての〈dear〉。今年もよろしくね。
今年は、まずはバンドライヴからスタートだ。26歳と27歳のバンド、Aloma Black'sとのバンドライヴを東京でやる。明日からリハーサルだ。
その後、名古屋、大阪、東京で、来てくれるお客さんからリクエストを募って、そのベスト30曲(東京はベスト37曲)を歌うライヴがある。
1月31日に、去年やった生声ライヴ《Naked Eyes '08》をリリースするから、それに合わせて東京以外でも〈Naked Eyes〉ライヴを計画中だ。
今年も、たくさんの街へ行こうと思っている。
ちょうど去年の今頃、僕は今の街に引っ越してきた。
近くにでっかい公園があって、たまにノートパソコンを持って、池のほとりのお気に入りのベンチで仕事をしたりする。さすがに今の季節は寒いけど。
近所のリハーサルスタジオで1人で歌ったり、同じ路線に住んでいる友人とたまに飲んだり、この街での生活にもすっかり慣れた。
春になったら、チャリンコを買おうかなって思ってる。マウンテンバイクか、クロスバイクか、どっちにしようかな。
数日前の夜中にふと思いついて、引っ越してきて収納スペースに放り込んだままになっていた柱時計を出した。
世田谷のボロ市で買った、昔ながらの柱時計だ。ネジを回して動かし、“ボーン、ボーン”って鳴るやつ。
世田谷のボロ市は、年に4日間だけ開催される江戸時代から続いている市で、昔ながらの古道具や古民具、アンティークな品や骨董品など、さまざまなものを露天に並べて売る。江戸時代のフリーマーケットが今に続いているって感じ。
15年ほど前、ボロ市が開催される街の近くに住んでいて、よく見に行っていた。そんな時、この柱時計が目に入った。昭和初期くらいのものなのかな。けっこういい値段がついてたんだが、衝動買いしちゃった。
家に持って帰って時計の裏を見たら、墨で「米嶋」って書いてある。それからはこの時計のことを「米嶋さん」って呼んでる。
ひさしぶりに壁にかけ、ネジを回す。
“コツ、コツ、コツ、コツ”
振り子が規則的に小さな音をたてる。
なぜか心が落ち着いてくる。
1/19
love,
卓治
dear #98
去年の11/1に横浜で開催した完全生声ライヴ《Naked Eyes '08》のライヴアルバムが完成した。CD2枚で15曲、ボーナスDVDに7曲を収録した3枚組だ。
これまでとはまったく異なる空気を、ギュッと凝縮したサウンドになっている。リバーブのようなエフェクトはいっさいない。声と音が会場を響かせる、その生の音だけが収録されている。
今までにリリースしてきたライヴアルバムとは、まったく違うものになった。ぜひ聴いてほしい。
今年のライヴは、1/28に東京でやったバンドライヴからスタートした。
そして次は、名古屋でのライヴが待っている。
完全生声のライヴを13日にりとるびれっじで、リクエストを募ってそのベスト30曲を歌うライヴを14日にCLUB QUATTROで。
名古屋でのライヴはコンスタントにやっているが、こんなに濃い2日間は初めてかもしれないな。
りとるびれっじでやるのは初めてだ。すごくアットホームな雰囲気みたいだから、みんなに囲まれながら歌おうかなと思っている。
普段はきっちりセットリストを決めてからライヴに望むんだけど、今回はその夜の雰囲気を感じながら、お客さんとおしゃべりでもしながら、何を歌うか決めようかな。
リクエストのベスト30曲は、今もまだ予約が入ってきてるから、日に日にベスト30が入れ替わっている。
意外な曲が上位にいたり、上位だと予想してた曲が下の方にいたり。以前東京でやったベスト30と微妙に違ってて、それもおもしろい。
最終的な順位と、みんなからもらったメッセージは、ライヴ当日に発表するからね。
2/2
love,
卓治
dear #99
名古屋での2 Daysを終えた。
初日は〈Naked Eyes '09〉というタイトルで、生声でのライヴだった。りとるびれっじのアットホームな雰囲気の中、お客さんに僕のギターを弾いて歌ってもらったり、リクエストに応えたり。お客さんと至近距離だから、お互いの熱や気持ちをじかに伝え合うことができた。
2日目はクラブクアトロで、リクエストしてくれた曲のベスト30を歌うライヴ。東京でやった同じ企画のセットリストとは微妙に違うベスト30になった。1位が〈1 WEST 72 STREET NYNY 10023〉、2位が〈Passing Bell〉。トータルで3時間半のライヴになった。
さて、次は大阪だ。6日は楽家(GAKUYA)で生声ライヴ、7日はLive Osaka KOO'ONでベスト30曲ライヴ。まだまだリクエストを募集してるよ。
名古屋のお客さんからもらったリクエストには、メッセージもたくさん添えてあった。その中に、「ひさしぶりにライヴに行きます」というメッセージがすごく多かったのに驚いた。10年ぶりとか、15年ぶりとか。
高校生や大学生の時に、彼ら、彼女らが聴いた歌を、僕は今も歌っている。変わらない気持ちのままで。
そして聴いてくれた彼ら、彼女らも、その瞬間、時が止まり、時が戻り、あの時の自分に戻れたんじゃないかな。
音楽には、そんなパワーがある。
音楽はタイムマシンのようなものだ。
どんなに辛い“今”があったとしても、音楽は、それを聴いた“あの時”の輝く自分自身を甦らせてくれる。固く契り合った恋や、熱く語り合った絆や、ギリギリの希望や、消え入りそうだった夢を。そして、すずやかなあきらめや、ひそやかな別れまでも。
だから僕は、歌い続けている。
2/23
love,
卓治
dear #100
この短い手紙を送り始めて、今日で100回。
2004年の頭からスタートしたから、丸5年になる。ずっと読み続けてくれてありがとう。これからも、日々のできごとや様々な想いを綴っていこうと思う。
大阪での2日間のライヴを終え、今週末に控えている静岡と京都でのライヴの準備をしているところだ。この2本のライヴには〈Another Request〉というサブタイトルをつけた。名古屋と大阪でやったリクエストベスト30曲からもれた曲を中心に、セットリストを組み立てようと思う。
今までに120曲ほどリリースしたから、あと90曲残っている。ベスト30に入らなくても、僕にとっては大切な曲ばかりだ。
静岡には、サックスプレイヤーのSMILEYも参加する。楽しみだな。
京都ライヴの翌日、オフィシャルファンコミュニティーONEに掲載する写真を、京都で撮影する。
デビューしてから京都には何度もライヴで行ってるんだが、いつもタイトなスケジュールだから、金閣寺にも清水寺にも行ったことがない。
今回は、ゆっくりと散歩気分で歩きながら、京都を満喫しようと思っている。神社仏閣もいいけれど、小道や路地を歩いてみたいな。
あとは、そうだな、京都ならではのおいしいものに出会えるかな。
お勧めの場所なんかがあったら、ぜひ教えてね。
3/10
love,
卓治
dear #101
関東の桜は終わったけど、北の方はこれからだね。
住んでいるマンションの入り口の脇に、コンクリートの間から可憐なたんぽぽ。花屋さんの店先もカラフルになった。すっかり春だな。
名古屋と大阪で30曲、東京で37曲を歌うライヴをやった。お客さんからリクエストを募って、その上位曲を歌うライヴだ。
街によってランキングされた曲が違ってて興味深かったし、楽しく歌うことができた。
37曲は、僕の最多記録だ。とはいえ、ここのところ僕より年上の人が60曲とか80曲とか歌うもんだから、37曲が今ひとつ色あせてる。また記録更新に挑むライヴをやらなきゃいけないな。
リクエストと一緒にたくさんのメッセージももらった。すごく素敵なお便りばかりだったから、セレクトして僕のオフィシャルサイトRED & BLACKに掲載した。時間のある時に読んでみてね。
オフィシャルファンコミュニティーONEで、3ヶ月に1度発行しているウェブマガジン〈eyes〉には、その名古屋クアトロと大阪KOO'ON、そして静岡UHUと京都coconiのライヴ映像を掲載した。ダイジェスト映像をRED & BLACKに掲載しているから、これものぞいてみてね。
長いライヴが終わって今は一段落。次のライヴスケジュールが出た。東京、京都、高知の土佐清水、福岡、熊本、名古屋、大阪。土佐清水の宿泊優待プランも決まった。
熊本、名古屋、大阪はバンドライヴだ。去年から活動しているAloma Black'sと、サックスプレイヤーSMILEYと一緒に行く。
福岡は、地元で活動しているバンド、コーガンズとのジョイントだ。コーガンズのボーカル、ジンロウとは友人で、彼のバンドとセッションしようと思っている。
チケットは、サイトと、このメールニュースへの返信という形で、簡単に予約できる。ぜひ遊びに来てね。
4/14
love,
卓治
dear #102
今年に入って、いろんなスタイルでのライヴを展開している。バンドライヴ、アコースティックライヴ、完全な生声のライヴ。
名古屋と大阪で30曲、東京で37曲という長丁場のライヴもあった。
池袋の小さな店でシークレットライヴをやったり、田中一郎さんと高橋研さんとのバンドバトルがあったり。
そして、この後もたくさんのライヴが決まっている。また近々、新しいライヴのお知らせをするから、楽しみにしててね。
さて来週は、浜田裕介君との、京都と高知でのライヴが控えている。京都には3月に行ったばかりだけど、その時とはまったく違うライヴにしようと思っている。もちろん浜田君とのセッションも準備している。
高知県土佐清水の海癒は、ほぼ1年ぶり。ここは本当にすばらしい場所だ。足摺岬のほぼ突端に位置して、透明感のある蒼い海、でっかい空、ウミガメやイルカがやって来る。温泉や宿泊施設もあり、そのゆったりとしたリビングで、暮れていく空を見ながら歌う。窓から海風が入り、最高の気持ちになれる。
今年もきっと最高のライヴになるだろう。
ひとつだけ、そう、たったひとつだけ、問題がある。
京都から土佐清水まで、500キロあるってことだ。
去年は、大阪を朝一番に車で出発して、淡路島を通り、四国を横断して高知に至り、途中で高速が終わって、後はひたすら海沿いの国道を走り、到着した時は夕暮れ近かった。もうヘトヘト。
でも、海癒を見た途端に、疲れは吹っ飛んだけどね。
5/28
love,
卓治
dear #103
去年に続き2度目の、土佐清水 海癒でのライヴが大盛況で終わった。客席は、子供たちからご年配の方まで、たくさんの人たちが集まってくれた。温かい拍手と手拍子と笑顔に溢れたライヴになった。
東京や大阪からもファンの人が来てくれた。共演した浜田裕介君の話によると、東京から飛行機を使った場合、日本で一番遠いのが土佐清水なんだとか。
東京から車で来てくれた人、高知まで飛行機で来てレンタカーで来てくれた人などがいた。本当に嬉しかった。
海癒の空間で「アスピリ〜ン!」とシャウトしても似つかわしくない。何を歌おうかと、移動の車の中でずっと考えていた。
〈光のオルガン〉や〈祈り〉、リクエストに応えて歌った〈種の歌〉が、客席に静かに染み渡っていくのを感じた。
開けはなった窓の外に大きな月が昇り、海を銀色に染めていた。
「また来ます!」
そう約束してライヴを終えた。また必ず行こうと思う。次の機会には、ぜひ来て欲しいな。遠いけど、天国のような場所だから。
東京へ戻り、次のライヴの準備へ。
ここのところ、バンドとアコースティックのリハーサルを交互にやってる。
まずは16日、Aloma Black'sのギタリストMercyをサポートに迎えるライヴだ。新しい形のアコースティックサウンドがスタジオで生まれている。とてもスリリングだ。
27日は、Aloma Black'sとサックスのSMILEYでのバンドライヴ。新しいレパートリーがどんどん増えている。
先日、SMILEYに音資料を送ったら、こんなメールが返ってきた。
「この歳になって、あの歌をやるのか。いや、俺はついて行くぜ」
スタジオでアレンジを固めながら、ステージでの動きを提案。
「この歳になって、増やすのかよ!」
おもしろくなりそうだ。
CDでもDVDでも決して伝わらないものが、生のライヴにはある。それは空気を震わせる鼓動、ハートとハートをつなぐ熱だ。
東京でのライヴが続くが、この後は全国を北から南までツアーで回ることになっている。
東京のライヴはしばらく予定してないから、ぜひ遊びにおいでよ。
6/9
love,
卓治
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