数年前、ネット上にたくさんのファンサイトが生まれ、そこを通じて全国のファンの人たちがメールでつながり、各地でオフ会が開かれるようになった。そこでファンの人たち同士のコミュニケーションが生まれていった。
そんな中で、「小山卓治トリビュートアルバムをファンの有志で作ろう」という話が生まれた。全国各地の街で録音して、それを１枚のCDにしようという企画だ。
話を聞いて、僕は驚きと喜びを同時に感じた。どんなものができあがるんだろう。
それぞれ仕事を持っているファンの人たちが、時間を調整して集まって、練習して、録音する。すごく大変だっただろうなと思う。
時間はかかったが、それがひとつの形になっていった。
７月の大阪 2 Daysのライヴが終わった楽屋に、MDが届けられた。僕は東京へ戻る東名高速道路の上でそれを聴いた。嬉しくて嬉しくて、ずっとニコニコしてた。
アルバムは、こんなラインナップだ。
01.傷だらけの天使（関西OTAKU団）
02.最終電車（札幌へ呼ぼう会）
03.FILM GIRL（千葉FM木更津 のあ）
04.いつか河を越えて（関西OTAKU団）
05.The Fool On The Build'（東京オフ会）
06.嵐からの隠れ場所（名古屋オフ会）
07.ひまわり（札幌へ呼ぼう会）
08.PARADISE ALLEY（関西OTAKU団）
09.Aの調書（九州へ呼ぼう会）
10.Aspirin（九州へ呼ぼう会）
11.1 WEST 72 STREET NYNY 10023（大分COCK'S）
12.P.M. 11:11（名古屋オフ会）
13.Show Time（関西OTAKU団）
バンド、ソロ、ギターに合わせてみんなで歌う演奏、ライヴテイク。アルバムアレンジに忠実なプレイもあれば、独自の解釈でアレンジしたプレイもあった。みんな、すごく楽しそうだ。
自分の歌なのに、歌詞やメロディがすごく新鮮に聞こえてきた。不思議な感覚だった。
大阪から３週間後に名古屋に行くことになっていた。名古屋オフ会の人たちと連絡を取り、〈Naked“eyes”〉のライヴに登場してもらい、〈嵐からの隠れ場所〉を一緒にプレイした。最高に盛り上がった。
〈トリビュートアルバム〉は、現在アルバムジャケットの制作などをやっているとのこと。ライナーノーツを頼まれている。喜んで書くつもりだ。
完成したら、RED & BLACKでもお知らせするつもりだし、何かの形で紹介したいと思っている。楽しみにしていてほしい。
多分僕は、世界中で一番、このアルバムのファンになるだろう。
※今回掲載されたエッセイは、メールで配信されている「小山卓治News!!!」の中で、リアルタイムで書かれてきたショートエッセイ〈dear〉の内容を加筆修正して掲載した部分もあります。
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