ひまわり
7/21/1984 発売
CBS/SONY LP 28AH1741
CBS/SONY CD 32DH470
SONY RECORDS CD選書 SRCL1833

himawari jacket
01. ひまわり
02. 煙突のある街
03. 下から2番目の男
04. DOWN
05. 家族
06. 傷だらけの天使
07. 土曜の夜の小さな反乱
08. Paradise Alley
09. 記念日

 ファースト・アルバムを作り終えた時、俺の中にはもう一編の詩もワン・フレーズのメロディも残っていなかった。今まで生きてきた25年間の貯金を全部はたいた。1行の詞を書くために街をうろついたり、酒を飲んだりした。
 すべてのレコーディングを終え、そのアルバムに「NG!」というタイトルをつけた。その時に心底“今なら死んでもいい”と思った。だが人間の欲望というものは、人間が思うよりずっとタフだ。
 空っぽの頭の中に、また新しい風景が生まれ始めた。それが「NG!」とまるで違うものになるのは、当然のことだった。
 モノクロの写真に血を塗りたくったような風景の次に出てきた風景では、セピア色の写 真の中で人々が笑っていた。今日1日を生きたことに感謝し、明日を生きるための希望を確かめ合う人々だった。その風景の隅に俺も立っていた。
 大事なことは生き続けることなんだと、26歳になった俺は思い始めていた。
 LPのタイトルを「ひまわり」とした。
 ビルの影からチャンスをうかがうのではなく、陽の当たる場所で光に向かって歩く人々のレコードにするつもりだった。
 それは、自分の26年間を振り返っても、必ず通らなければならない場所だった。
 遠回りなんかじゃない、大事な一歩だった。  (「微熱夜'87」より抜粋)

(c)1984 Takuji Oyama / NAKAYOSHI GROUP